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第122回 2010/12/01

「師走を迎えて。」

 今日から12月、2010年(平成22年)も残り一ヶ月となりました。今年の夏は、記録的な猛暑が全国を覆い、その反動としての早くて寒い冬の到来が予感されましたが、関東地方では11月に入って以降いままでのところむしろ穏やかな日々が続いております。最新の気象庁季節予報による気温分布によりますと、東北・北海道では例年よりやや高め、関東甲信越は平均的で、近畿以西では平均よりやや低めと報じられています。この予報通りですと、今年の冬は例年並みということになるのでしょう。

 さて、11月10日、11日と横浜にて、第22回APEC閣僚会議が開催され、次いで13日、14日に第18回APEC首脳会議が開催されました。APECとは、Asia-Pacific Economic Cooporationの略で、アジア太平洋経済協力と翻訳されています。議長国日本の、菅内閣の、成功すれば晴れ舞台となるべき大きな政治経済的なイベントでした。

 外務省・経済産業省による概要(総論)では、「APECが、更に緊密に高度化した経済統合で結ばれ(「緊密な共同体」)、質の高い成長を実現できる強い共同体であり、安全で、安心して経済活動を行える共同体(「安全な共同体」)に向かっていく」という、「『横浜ビジョン』に合意することができた」とし、更に「具体的には(中略)アジア太平洋地域での地域経済統合を更に推進するために、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築に向け具体的な行動をとることとなった。(中略)この地域として初めての、長期的かつ包括的な成長戦略をとりまとめた」 と評価しました(強調は原文)。

 議長国日本の、その意味では今回のAPEC議長としての菅直人総理は、最終日(14日)の記者会見で、「日本がこの平成の時代に改めて開国する」意義をもった、「我が国の歴史においても大きな新しい1ページになる」と胸を張りました。横浜APECの予定は今年に入ってから決まったわけではありません。にもかかわらず、首相声明の行われた翌日の月曜日(15日)、日本のすべての新聞社は休刊日でした。このことが、マスメディアのこの会議に対する基本的な姿勢を示しているように感じたのは私だけだったでしょうか。夕刊をとらない家庭の増えている昨今、火曜日(16日)の朝刊ではほとんど小さな扱いしかなされず、APECの最終声明の新聞報道には一切眼を触れることもなかった人々も多かったことでしょう。

 「自由貿易圏の構築」にとって、我が国の一番の問題は農業問題です。新政権が誕生してから既に一年ほどが経過、その間、首相の交代があったとはいえ農業問題をめぐる閣議決定はおろか、議論がなされた報道は皆無です。農業をめぐる規制は多岐にわたり、農業生産物の輸入だけでなく、農地規制、農産物価規制、農薬規制、肥料規制と数限りなく張り巡らされ、或る意味厳格に実施されているように見えます。こうした多岐にわたる厳格な農業関連の法律が、現在の日本農業の現実と、あるべき将来の姿にきしみを見せていることが多くの論者によって指摘されながら、ある方向へ向けて政府が舵取りをしているようにはとても見えません。そして突然、この会議の結論として「FTAAPの構築に向け具体的な行動をとることとなった」と総括されても、怪訝な面持でいるしかないのです。農業問題を避けて通ることにできない自由貿易圏の構築、事前の議論のないままの、一歩大きな前進との自己評価。どうも、言葉と現実が乖離してきているように思われます。本来批判勢力であるべきマスメディアも、最初から覚めた目でこのAPECを眺め、距離を置いている感が否めません。空疎な言辞に走る政権と、それに真っ向から取り組まない大マスメディアという醒めた雰囲気が漂っているようです。

 さて、11月には初旬に2010東京インターナショナル、下旬にはオーディオ&ホームシアター展とイベントが続き、その最中に営業機能をサービスセンターへと移転する作業が入り、多忙を極める1ヶ月となりました。イベントにご出席を頂きました皆様方には、心から感謝申し上げます。また、移転直後には、電話回線、FAX回線の不備がありました。ご迷惑をおかけしたディーラー様、取次店様には、再度お詫び申し上げます。

 群馬県大泉町のサービスセンターに業務集中させて既に2週間経ち、今日から師走です。東京インターナショナルオーディオショウにてご紹介いたしました、ダブルベルトドライブ、TL3Nの生産の開始に向けて全力を挙げております。何卒ご期待下さいませ。師走のご多忙な日々、無事2011年を迎えられますよう、皆様方のご健康をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 





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