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第99回 2009/01/06
「CECの2009年」

 平成21年、西暦2009年の新年があけました。皆様どのようなお正月を迎えになられましたでしょうか。まずは、新年明けましておめでとうございます。関東地方では、青天で、風も穏やかな元旦でしたが、皆様お住まいの地域ではいかがだったでしょうか。

 団塊の世代に属する方々が還暦を迎え始めてから3年目、今年は昭和24年生まれの方が還暦を迎える丑年。 狭い意味での団塊の世代の最終ランナーの一団が60年歳を迎えることになります。2007年末には、団塊の世代のピークが還暦=退職となる2008年には、多くの地方公共団体が退職金の支払いで財政上の支障をきたすであろうと予測した大手メディアも少なくありませんでした。

ノスリ

 また他方で、8月の北京オリンピックという一大イベント以降の深刻な中国発の景気後退が懸念もされていた2008年初でした。残念ながら経済の後退局面は、団塊の世代への退職金問題でも、中国発の景気後退でもなく、世界経済の中心であった米国のサブプライムローンシステムの破綻が世界的な金融システム全般に波及し、100年来といわれる世界経済の恐慌状態への突入という、思わぬ、それも予測を上回る深刻な事態に突入したのが2008年でした。本年2009年、多くのマスメディアの新年のコメントは、全世界的な不況についての政治経済学者の分析や予測に終始し、暗中模索の感を免れ得ません。

 こうした中、私どもCECも、おかげさまで設立9年目を迎えることになります。オーディオ専門誌の一部には従来からすでに説明されていますように、これまでの当社は、他メーカー様への供給先ブランドでの生産、出荷(OEM)が経営上大きなウエイトを占めてまいりました。残念ながら、欧米を主たる仕向け先とするOEMビジネスの現状と見通しは、まさに上に述べました世界経済の状況をそのまま反映したもので、全く楽観を許すものではありません。当社としては、ここに初めてCEC製品の営業だけで会社経営を維持していかざるを得ない状況となっております。あらためて、CECとして、どのようなオーディオ製品をどのように開発、販売していこうとしているのかにつきましてご説明し、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 ご存知の方も多いかと存じますが、CECはレコードプレーヤー用のフォノモーターの開発、生産をその起点(1954年)としております。それ以降、トーンアーム、キャビネットを組み込んだレコードプレーヤー、さらにはCDプレーヤーへと主たる生産品目の概要は変化してきました。しかし、一貫してオーディオ再生システム上の入口の回転部門を営業上の基軸としてまいりました。この歴史は今後とも踏襲し、現在の技術水準に置きましては、CDプレーヤー及びCDトランスポートの開発、生産、販売を事業の基軸としてまいります。

 当社の、独自な技術を備えましたCDプレーヤー、CDトランスポートを音として表現するためにはアンプ、そしてスピーカーが不可欠であることは言うまでもありません。アンプの設計は、既に広く知られるところとなりましたが、ドイツ人技術者カルロス・カンダイアス氏とそのグループが担当しております。またスピーカーは、オーストリアのウィーン・アコーステック社の製品を紹介させていただいております。

 長年OEM業務に携わってきた当社の製品は、前提的にコストパーフォマンスに優れていると自負しております。そして、当社のCDプレーヤー、CDトランスポートの音楽的特色は、アナログ的表現を追求するものです。音源がもともとアナログである以上、それはある意味で当たり前のことかもしれません。別の表現を採りますと、色付けしないといっていいかもしれません。

 この考えはアンプ設計においても、とりわけD/Aコンバーターの設計にも生かされており、そこではすべての無駄を排除し、信号の入り口から出口までの信号処理を極力早く、かつ回路をシンプリファイすることが常に意図されております。こうしてダイナミックでありながら、清潔感のある、アナログ的表現をコストパーフォマンスに優れていることを前提として創造していくことがCECの製品意図であるとご理解ください。 当社のこうした考え方に最適であると判断したのが、ウィーン・アコーステック社製のスピーカーの数々です。音楽の都ウィーンの生み出した、ウィーン・アコーステック社のスピーカーは、あらゆる音楽分野を問わず、実に明快、清楚にそしてダイナミックに音場を再生してくれます。

 年末に入り、やっとウィーン・アコーステック社のフラグシップモデルの最初のサンプルが入荷いたしました。これから順次、皆様にお聞きいただけるよう現在試聴方法を検討しております。十分ご期待の添える同社の新しい世界をお聞きいただけるものと確信いたしております。

 音楽を、本格的音響再生機器を介して楽しむ方法は、冒頭にあげました団塊の世代の作り出した文化でもあるといえます。CECはこの文化を次の世代にも受け継いでもらいたいと考えております。当社の小型D/Aコンバーターやヘッドフォンアンプは、パソコンとの接続を前提としておりますが、それは、将来を担う若い世代に、団塊の世代が作り出した再生音楽文化を継承して欲しいという願いなのです。

 IT機器を介した圧縮音楽とその関連機器の普及が全世界化し、一般化してきていることは皆様よくご存じのことです。簡便化した機器を介した再生音楽の世界を、本格的な再生音楽文化として再構築できる一助になること、これがCECの願いです。文化の継続性こそ、さらなる新しい文化を創造できる力になるものと信じております。

 2009年は、どの企業にとってもそうである以上に、CECにとりましては社運をかけた年となります。皆様がたのCEC製品に対する厳しくも温かいご意見とご愛顧だけがCECの礎です。本年は、例年にも増しましてなにとぞ一層のご援助を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

(写真は、この元旦、CECのあります、さいたま市の上空を雄飛するタカ=ノスリで す。)






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