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第88回 2008/02/01
2008 ラスベガス CES

 2008年もはや一ヶ月を過ぎました。関東地方では、最高気温が10℃に及ばない日がのべ20日近くに及び、寒さを感じさせる一ヶ月間でしたが、皆様お住まいの地域ではいかがだったでしょうか。幸い日照量は多く、寒いながらも日々光の力が強くなってくることを感じる今日この頃です。

 いまや民生用電気、電子機器製品発表の世界的なシンボルともいえる、米国ラスベガスのCES(Consumer Electronics Show)が、本年も1月7日から10日まで開催されました。CES全体の関心はテレビ、映像記録機器で、最早オーディオ専門機器は極めてニッチなカテゴリーの製品グループに追いやられています。昨年からハイエンド製品の展示会場となった、ベネティアン・ホテルですが、残念ながら昨年同様、目的のブースにたどり着くのに一苦労します。案内方法の改善がぜひ望まれるところです。

 CESの主役、映像機器ですが、大きな流れができつつあるようです。CESの直前の1月5日に、画像配信会社のワーナー社が、今後のHDパッケージソフトは、(2008年5月までにリリースすると発表したHD DVD以外は)すべてブルーレイディスク(BD)のみに一本化すると発表。これまで、BD陣営対東芝HD DVDの拮抗する最新映像記録、再生フォーマット界でしたが、これで一気にBD陣営にバランスが傾いたようです。世界が見守るCES開催の前々日に衝撃的な発表を行う、これが米国流のビジネスなのでしょう。CES会場でもあまり来訪者のない東芝の広いブースが寂しげに見えました。

 他方で、映像パネルの生産を世界でも二分する、韓国サムソンとLG二社の派手なプロモーションと広いブース面積は印象的でした。映像パネル業界では、安価な液晶型(LCD)がプラズマを凌駕したと見られていましたが、プラズマ陣営の宣伝活動の積極さも注目に値するものでした。安価で軽いLCDパネルに比べて、画質は良いがより高額であり、より重量が重く、大きな電力消費を伴うと概況されてきたプラズマ陣営ですが、パナソニックの超大型プラズマ画面(150インチ)の展示には、多くの業界関係者も驚いていたようです。LCDとプラズマ。フォーマットの互換性が問題とされる世界ではありませんので、おそらく今後とも双方の技術革新により、また消費者の嗜好性により、並存しそうな予兆が見て取れました。

 さて、デジタル音楽録音再生方式です。日本でも多くの電気メーカーが様々な方式を提案してきましたが、こと北米に関してはアップル社のiPodで決まり、といったところでしょうか。再生音楽ハードはCD(MDは日本の大メーカーの尽力にもかかわらず、結局一顧だにされなかったようです)、デジタル音楽録音再生はiPod、デジタル画像録画再生はBDという構造が見えた2008年CESでした。

 主催者の日本語での公認サイトです。
 http://biz.knt.co.jp/pm/ces/

 昨年のCES報告でも取り上げました、当社が輸入販売しておりますウイーンアコーステック社のことにも触れなければなりません。残念ながら2007年度内には発表できませんでした、同社の最高級スピーカーシステムが、やっと発表されました。昨年は、プロトタイプモデルの展示にとどまりましたが、今回は試聴可能な試作機が展示、実演されていました。

 筐体を大きく二分し、上部に「ミュージックセンター」と呼ぶユニットを置いています。このセンターは、ツイーターとスコーカーを組み合わせたドライバーユニットを組み込み、上下左右に移動可能な可変タイプ。非常に大きく重そうなその下部は、何と「ムラタ」のスーパーツイターをトップに配置し、その下にイートン製ウーハーをスパイダーコーン対応させたドライバーを3本セットした作りです。設計者ピーター・ガンシュテラーによれば「あえて言えば2.5ウェイ方式」とのこと。短時間ではありましたが、その音はまず豊饒感溢れるという表現が一番適切でしょうか。繊細で、清潔な音楽表現をもって、ウイーンの音楽性を世界に問ってきた同社ですが、それに大いなる豊かさが加わったというのが第一印象です。欧州での発売予定価格2万ユーロ(ペアー)、北米での予定価格2万5千ドル(ペアー)とのこと。当社には4月中に届けられる予定で、翌5月には発表会を開催できるのではないかと期待しております。予定の詳細が決まりましたら、あらためてご連絡いたしますので、今しばらくお待ちください。

 また大変ご高評いただきましたウイーンアコーステック社の限定モデル、T-2G LTD. は一月を持ちまして流通在庫を残すのみとなりました。ご購入を検討されている皆様は、まず最寄の販売店様にお問い合わせいただけますようお願い申し上げます。

 最後になりましたが、年末年始、当社製品をご愛顧いただく皆様のご注文で、一部製品に品切れをおこし、ご迷惑をおかけしたユーザー様には心からお詫び申し上げます。何とか一月末には品薄状態を克服できました。今後ともご愛顧のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

 まもなく節分。梅の開花情報もちらほら聞こえてきました。最も寒い時期も次第に遠ざかっていきます。まだまだ遠い春ではありますが、お好きな音楽とともにかすかに見える春の兆候の中で、お健やかにお暮らしください。





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