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第14回 2001/12/01

11月1日より全面改訂したホームページの「CEC友の会」に、予想以上に数多くの方が、お申し込みいただき大変有難うございました。「友の会」入会に寄せられました、皆様方の当社へのコメント、全て拝見させて頂いております。皆様方お一人お一人にお礼を申し上げることもかなわず、この場を借りて、心から御礼申し上げます。

CECにお寄せいただいた心温まる励ましのお言葉に、まもなく新生CEC、2回目の正月を迎えようとしている当社員一同、ますます魅力ある新製品の開発と、お買い上げいただきました製品のサービスに一層励んでいく所存でございます。

この配信号より、当社設計部門におきまして主要な役割を果たしております、設計チーフ3名のコメントも、「スタッフルーム」に毎月掲載する予定ですので覗いてみてください。設計幹部3名は、日本人1名(谷口実)、韓国人1名(陳錫柱)、ドイツ人1名(Carlos Candeias)の構成で、谷口以外には、日本語で文章表記できませんので、英文にて書かれていることと思います。ご了承ください。

11月9日より台湾、台北市に出掛けました。まだ、9月の台風の被害から完全に立ち直っていない状況でした。日本でもそうですが、台湾でも通常台風は南から遡上し、北方へ駆け上ります。ところが今回台北を襲った台風は、沖縄から南下するという極めて稀なコースを辿った(17年ぶりとのこと)ため、台北南部の山岳地帯にさえぎられることもなく、また異例に長時間居座ったため、降雨量がおびただしい量にのぼり、台北市内の主要幹線道路が2日間は、まったくの流水路となり、一見濁流に溢れる川のようであったといいます。

多くの地下鉄路線の交差する台北駅には、様々な出入り口から洪水のように水が押し寄せ、その復興には本年一杯かかると予想されています。通常重いため、地下に在庫を置く、書籍店舗も大きいものが倒産の危機に瀕しているとも語られていました。

このような形での被害のなかった台湾では、所謂災害保険は、火災しか対象となっていないため、水害での保険適用はありません。書籍同様、オーディオ機器もその重量からしまして、通常販売店は地下に在庫を置きますし、お客様への展示品店舗も1階がほとんどです。CEC製品をお取り扱いいただいたディーラー様も、展示品、在庫品ともにかなりの被害にあっております。

通常電気機器は、表面実装を施した基板などを主たる構成要素とする製品は、水に濡れても、そこに付着した泥をよく洗い落とし、日陰で時間をかけて乾かせば再起動することが多いものです。(泥を洗い落とさず、直射日光に当てては絶対に駄目です。)ところが、当社の主要製品であるCDプレーヤーは、水にぬれると100%といっていい確率で再起動できません。何よりも、レーザーピックアップが水に弱いのです。

レーザーピックアップは、大雑把に言いますと、レンズ、発光素子であるレーザーダイオード、そして発振素子であるアクチュエーターより成っていますが、アクチュエーターは、純銅素材です。この部分が水に弱く、全ての発光作業ができなくなってしまうためです。くれぐれも、CDプレーヤーに水をかけないようお気をつけ下さい。

当社では、台北のお店で被害に遭いましたCDトランスポートの全てを無償保証させていただきました。サービス在庫用のピックアップが底をついてしまいましたが、もしこの間、ピックアップの不具合での当社のサービス業務が通常より遅れたとしますとこのためです。諸般の事情をご配慮の上、遅れをお許しいただきたくお願い申し上げます。

今回はじめて、台北市長舎の近くにあります、Warner Brothers Villageを訪問し、映画を見てきました。ここは、独立した18の映画館が一堂に会するといった大胆な企画を実行した、東南アジアでは初めての試みといえます。部分的なヒット作がない限り、映画産業は斜陽と言われ続けてきました。ところがここでは、ここに来さえすれば、何らかの映画がほぼ間違いなく観ることができるのですから、どこで何を上映しているかを知る必要なく、まず入ってみようということになるのでしょう。

何を見ようか相談している家族連れ、若いカップルで数多くの人で溢れておりました。また、入場券もコンピューターを駆使し、映画のタイトルさえ言えばどこの映画館の入場券でも簡単に入手できます。

東京秋葉原のような、同業者小店舗が一堂に会して集客能力を確保し、世界に範を示した日本電気小売業も、いまや大型店舗の攻勢に生き残りを模索中です。台北で見られた、同業者集中による集客力のアップは、ある意味で映画業界の秋葉原型展開とも見られますが、それ以上に、入場券の簡易かつ一元的な入手手段の確保、環境整備による遊園地その他の行楽サービスの付属化によるサービスの簡略化と多様化を同時に実現させていることは、驚嘆に値しますし、秋葉原電気街もまだ多様な道が残されていることを示唆しているようにも思えます。