●17.5cm 「X3P」バス＆ミッドレンジ用ドライバー
"Bach Grand"には、本機のために新たに17.5cmの「X3P」バス＆ミッドレンジドライバーユニットを開発しました。
ユニットコーン素材には、現存するプラスチックの中で最も低密度で軽量化に適した素材といわれるTPX（ポリメチルペンテンポリマー）に三種類のポリプロピレン（3P）を化合させたウィーンアコースティック社独自開発の「X3P」を採用。その軽さ、強さ、全体的なしなやかさというX3Pの優れた特質により、極めて高い内部ダンピング効果を確保。はるかに大口径のドライバーユニットに比べても決して引けを取らない、安定感と、剛健さを実現しました。
また、コーンエッジの共振防止のため、ドライバーの周りを凹型ラバーで囲む構造を採用したことにより、音質に悪影響を及ぼすダンピング・ロスを極限まで低減しています。
●独自のツインバスレフ方式
"Bach Grand"は、バスロード方式に独自のTBR（Twin-Balanced-Reflex＝ツインバスレフ方式）を用いています。フロントとリアの双方にバスレフの開口部を設けることで、筐体内全域での空気の流れの制御が容易となり、このクラス最高級の低域出力を得ると同時に高い精度での低域コントロールが可能になりました。
●前面バスレフポートと一体化したトィーター・マウント
高音部には、S-1G（本国名 Haydn Grand）で採用されたのと同じ、くさび型マウント兼ポート（開口部）方式を採用しています。
前面のバスレフポートは、トゥイーターのマウントと一体構造となっており、筐体内部の空気は、開口部の付け根にあるくさび形マウントの反射面に向かって進み、そこで2つに分割され、朝顔型の開口部から放射されます。この反射面と開口部の関係は、決定的な重要性を持っており、その形状は、低域の再生をサポートすると同時に、開口部の定在波を減少（約-12db）させるよう綿密に設計されています。これにより、スピーカーの設置場所の自由度が高まりました。
一方、２分割されたバスレフポートの前面中央にトゥイターを配置する構造は、低音の放出部であるバスレフポートと高音を受け持つトゥイーターという２つの音源を狭い範囲に集中することによって、位相のずれの問題を解決し、総体的パフォーマンスを向上させることにも役立っています。
●その他の特徴
- トゥイーターはS-1Gと同じ2.5cm cm三層シルクドームトゥイーター採用。
- リニアーなクロスオーバーのレイアウトを新規設計。 電流の流れる方向に従った実体配線の適用。各クロスオーバーコンポーネント間の相互干渉や共振によるノイズや歪の源泉を排除。
- スピーカーターミナルに新規に金と銀の素材を使用。耐久性を高め、クロスオーバーボードに直結させることにより、転送中の抵抗を極力低めています。
- キャビネットには4.1cm厚のバッフル板使用。
- リスニングポジションを選ばないよう音を拡散させるV字型のフェイズディフューザー（位相拡散器）を組み込んだ独自のアルミフレームのグリルネット付属。
- 熟練木工職人のハンドクラフトによるリアルウッド仕上げの美しいエンクロージャーは、ローズウッド、ピアノブラック、メイプル、チェリーの４種類。
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