●CEC独自のベルトドライブ方式の優位性
CDプレーヤーは、CD盤而に線速度一定で記録された信号を再生するため、内周から外周へ行くにしたがってディスクの回転数を約500rpmから約200rpmへと変化させています。さらに偏心成分による線速度の変化にも追従させるため、1回転以下という極めて短い時間内で、線速度を一定に保つ制御が行われています。このような、「大きな慣性を持つ回転体の免速度を細かく制御する」には、大きな加速度が要求されます。このため既存のCDプレーヤーでは、トルクの強いモーターを採用していましたが、これらのモーターは高電流で駆動させるため、「電磁ノイズの発生が避けられない」という問題を推えていました。また、「大きな加速度」自体が駆動系全体を揺らす振動を生み、ピットの読み取り精度を劣化させる要因にもなっていました。

CECはこれら諸問題を解決するために、アナログプレーヤー設計で永年堵ってきたノウハウを投人した「ベルトドライブ方式」を採用しました。この方式により、従来では難しいとされていたCDの「回転角速度の安定化」を実現しました。「ベルトドライブ方式」は、ディスクに回転を与えるスピンドルから約7.5cm離した位置にモーターを設置し、ベルトを介してドライブするという画期的な方式です。これによりピックアップ部をモーターが発生する振動や電磁ノイズから影響を受けにくくします。モーター部には従来の高トルクモーターに替わり、大幅にコギングを減少させた低トルクモーターを採用し、徹底した振動対策を施しています。
また、スタビライザー(直径70mm、質量300g)の持つ大慣性モーメントを利用することで、CDの最内周において必要な回転数である約500rpmから、最外周で必要な回転数である約200rpmまで、滑らか且つ安定した状態を保ちながら角速度を変化させます。優れたホイール効果による静粛性は、エラー訂正を最小限に抑えた極めて正確なピット信号の読み取り精度を実現。よりピュアな音楽再生を可能にしました。

●DACとアンプ回路の融合
D/Aコンバーターは24bit/192kHzに対応したバーブラウン社の「PCM1796」を2基搭載し、圧倒的な超低歪率と高ダイナミックレンジを獲得。このDACをアンプ段の一部と位置付け、「LEF(Load Effect Free)」アンプ同路と融合した、DACの出力信号である電流を最短で,忠実に電圧信号へ変換(I/Vコンバーター)する「カレントインジェクション」回路を採用。これによりNFBループから完全にフリーとなり、信号をワンステージで処理することに成功しました。また、完全にバランス化された信号処理により、極めてハイスピード且つ低歪率な情報伝送を実現。純A級動作のピュアな回路構成とストレートで最短の信号経路が、音楽情報を完全に再現し、デジタル臭のない瑞々しい音質とダイナミックで音場感あふれる再生を可能としました。

●シーンを拡げる豊富な出力端子
アナログ出力は、通常のアンバランス型RCA端子の他にバランス型XLR端子も装備していますので、ワンランク上の高品位な接続をお楽しみいただけます。また、デジタル出力には、コアキシャル〈同軸)、オプティカル(光)、AES/EBU(XLR)やCEC独自のスーパーリンクも装備。MDデッキやCDレコーダーなどの録音機器をはじめ、幅広いデジタル機器との接続が可能です。