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第23回 2002/8/31

今日で8月も終わりです。九州で過ごした子供時代には、セミの鳴き声の主がそれまでのクマゼミ、アブラゼミから、ツクツクホウシに代わってくると、夏の終わりというよりも夏休みの終わりを、終わっていない宿題の量とともに実感させられたものでした。 ここ関東では、ツクツクホウシは、すでに7月の中旬ころから鳴き始めているわけですから、あのちょっと哀愁を帯びた独特の鳴き声も「秋告げ」とは無縁のようです。

この夏気付いたことですが、7−8月の灼熱の日差しを物ともせずに、あたかも毅然と立ち並び、咲き誇る百日紅の木が、少なくともここ埼玉県には、かなり多いということです。これまで下ばかり向いて歩いていたわけではないのですが。身近な周囲を、注意深く見渡すと、意外な感動が潜んでいることの好例ではないでしょうか。

さて明日から9月。1月1日から数え始めると、第3四半期の最後の月、この1ヶ月が過ぎるともう最終の第4四半期になるのですから、時の流れの速さに愕然とする思いです。電気製品、部品のメーカーにとっては、この8月、9月が1年のうちで最も多忙な期間となります。世界の電気製品の最大の消費地北米、それに次ぐ欧州地域の年末商戦に向けた出荷がこの期間から始まるからです。こうした製品の中心的生産拠点の一つでもある、中国広東省東莞、長安地区を8月最後の週、訪れました。この地帯の道路には、午後5時をまわっても、大きな40フィートコンテナーが幾十台と、所狭しと待機していました。世界の生産拠点としての中国の面目躍如足る光景です。当社工場で、これから発表する新製品の検討をしてまいりました。

毎日数万台を生産する工場では、これからご紹介する当社のわずか数百台にもみたないモデルの生産など、結構迷惑がられてはいます。しかし、当社にとっての最大のメリットは、日夜数万台の品質を管理するレベルの高さです。時として、一人が1台作る品質より、大量生産により数万台を組織で生産し、管理する品質のほうがかなり高いレベルにあることが知られています。従来、廉価でありながらオーディオ感に優れていると好評を博しておりました、CD2100の生産が完了して既に半年を過ぎてしまいました。ここに、このモデルのアップグレードした後継機、モデルCD3300を今月25日から発売開始させていただくことをお伝えいたします。CD2100よりの改良ポイントを挙げます。

(1)従来機では、CD-Rで録音(プリント)したものが必ずしも再生できなかった。新モデルは、CD-Rだけでなく、CD-RWの再生も無難にできるように致しました。

(2)オペアンプを廃し、オーディオ出力段に、AMP71と同一設計方針の、純クラスA LEFアンプ、CC70をL/Rチャンネルごとに、合計2個装備しました。

(3)簡単にはモデルチェンジができない当社ですので、今後少なくとも3年間は生産継続できるように、最新のDAコンバーターチップを採用しました。本年3月6日に発表された、バーブラウン、PCM1738がそれです。チップの詳細は、日本テキサス・インスツルメンツ株式会社のホームページから参照することができます。http://www.tij.co.jp/

(4)アナログ出力には、アンバランス型RCA端子に加え、バランス型(AES/EBU)XLR端子を加えました。

(5)デジタル出力に、従来のRCA、TOSリンクに加え、XLR端子を加えました。

以上が、CD2100の後継機種、新製品CD3300の概略です。

セッティングしてまもなくは、音質的にかなり派手目に聞こえるかもしれません。これは、PCM1738とCC70の高速信号処理能力と、その他の部品の信号処理能力とのアンバランスによるものではないかと憶測されますが、20-30分お聞きください。すぐに落ち着き、ダイナミックな音場の広がりと、透明感をお楽しみいただけるものと確信いたしております。この製品の紹介もまもなく製品の紹介欄に掲載されます。どうぞ宜しくご検討ください。