第74回 2006/12/01 |
今日から師走。当社の周囲の木々もほぼ紅葉し、連日、色彩鮮やかな落葉に眼を奪われる昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。なんとなく日差しも穏やかで、凩(こがらし)の吹きすさぶこともなく、関東地方ではまだ冬に入ったという実感のわかない暖冬下にあります。地球温暖化が確実に進みつつあると感じる今日この頃でもあります。 師走12月は、年賀状を書く月でもあります(伝統に則り、元旦に書かれる方もいらっしゃるようですが)。ほとんどの方が、来年の干支(えと)にこのとき初めて注目されるのではないでしょうか。皆さんご存知のとおり来年は亥(いのしし)年。 では今年の干支はなんだったかと問われるとすぐには出てこない方もいらっしゃるかもしれません(戌年=いぬどし)。昨今の生活習慣が、中国から伝わった干支とは何の関係もなく推移しているからに他なりません。これから十年もすると、年賀状の習慣が次第に廃れていくのと平行して、干支を気にすることがますます少なくなるのではないでしょうか。 若い方はご存じないかもしれませんが、干支(えと)とは、甲、乙、丙(へい)、丁(てい)から始まり癸(き)で終わる十干(じゅっかん)と、子(ね)、丑(うし)、午(うま)、卯(う)から始まり亥(い)で終わる十二支(じゅうにし)の組み合わせのことです。 それぞれ偶数番号、奇数番号どうしを組み合わせ、西暦とは別のそれぞれの年を表わすこととしたのが中国式の年式です。奇数どうしで5X6=30通りの組み合わせ、偶数どうしで同じ数の組み合わせができますので、合計して60通りの組み合わせができます。60歳の誕生年が、生誕した年と同じ干支になることから、暦が還るとして、還暦とよび、その誕生日に還暦として、長寿を祝うこととなる次第です。 陰陽五行説では、この世の事象を木、火、土、金、水と五現象に分け、それぞれに陽性と陰性を当てます。この五象と陰陽を、十ある干に順番に陽、陰の順番に当てます。今年は、十干では丙(へい)で、これは、火(ひ)の陽(え)にあたり、「ひのえ」で、十二支では戌(いぬ)ですから、中国式年式では、2006年は丙戌(ひのえ・いぬ)、また来年の2007年は丁亥、火(ひ)の陰(と)、つまり「ひのと・い」となります。自然現象的には、今年と来年は、同じ火の性格をもちながら、陽と陰の差があり、擬人化した年の性格では犬(戌)と猪(亥)ほどの差があることになります。これ以上の解釈は、易学上の判断になりますが、なんとなく素人にもその年の性格が分かった気にさせてくれます。 たとえば、明治維新での新政府軍と、旧幕府軍の、とりわけ東北地方における一連の戦いを、戊辰(ぼしん)戦争と呼びますが、それはこの一連の戦争が起きた1868年が、中国式の年式で、戊(つちのえ)辰(たつ)にあたることから、それを音読みしたことからきています。 来年の丁亥(ひのと・い)は、マスコミでも2007年問題として取り上げるほどの、団塊の世代の方々が、60歳の定年を向かえ、人生設計上、再出発する最初の年ともなります。なんとなく何か起こりそうな期待感をもった興奮を覚えるのは私だけでしょうか。 年末、CECでは未だ大きな仕事が残っております。ひとつは、東京インターナショナルオーディオショーで発表した、コントロール・パワーアンプ、AMP53と、とりわけこの丁亥(ひのと・い)に向けた製品、真空管プリメインアンプTUBE53の発売です。年末までには何としても日ごろ熱心にお取引いただいておりますディーラー様の店頭に並べることができますよう、設計、品質保証スタッフ一丸となって尽力いたしております。ぜひ期待してお待ちください。 また、恒例のCEC音楽祭ですが、本年は、明日2日(土)に行われます「立石ぴいこ音楽祭」を協賛の形で後援させていただきます。東京都近辺のお住まいの方、場所は葛飾区の京成青砥駅の近くですので、ぜひご参加ください。詳しくは、下のURLをご参照ください。 それでは皆様、何かとせわしない師走ではございますが、怪我などなさいませんよう、大過なくすごされ、よいお正月をご家族ともどもお迎えになられますようお祈り申し上げます。今年一年、CECに暖かい励ましを頂き大変ありがとうございました。 |