第66回 2006/04/01 |
関東南部以西全てで桜が開花、当社付近のソメイヨシノも満開となっております。しかし日本は南北に広いため、北海道や東北日本海沿岸地方ではまだ積雪情報が伝えられ、桜前線が青森県まで北上するのは4月25日と気象庁は予測しており、北海道については、前線通過の予測がつかない空白状態のままです。皆様方がお住まいの地方の桜はいかがでしょうか。 本年3月末日をもって、私共が提供させていただいております音響機器は、電気用品安全法(PSE法と以下略称します)の猶予期間(5年間)を経過しました。2001年に成立した電気用品安全法が、本日より実際に適用され、「製品の製造または輸入する事業主体が経済産業大臣に届け出たものであり」、また「技術基準適合性試験を満足したものであることを所定のマーク(PSE)を持って製品に付すこと」。そして「PSEマークの付されていない電気用品は販売してはならない」ことになりました。 本年に入りまして、新聞やその他の報道機関でこのPSE法の様々な問題点が指摘され、議論の的とされてきましたので、多くの皆様もこの法律の概要についてはご存知のところかと思います。多くの関係者が、PSE法についてその問題点の検討期間を置き、執行の延期を要求しましたが、様々な付帯的な条項を設けることによって今日を迎えることとなりました。3月に入って、PSE法は、その施行にあたって、次のように拡大解釈や便法が矢継ぎ早に出されています。 http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/index.htm 3月14日「経過措置の一部終了に伴う対策について」 まずPSE法については、電気用品の販売業者、輸入業者をも対象としています。その事によって発生するであろう広範囲にわたる問題点をほとんど予測していなかったのではないかと思われます。私共を含め、国内の電気製品製造業者であれば、電気安全に関わる様々な規制は、世界各国独自の規制があるわけですから、所轄官庁の通常の公報通告を、当然のこととして受け止めることができます。しかし販売、流通業界は、電気製品の安全の最終責任は製造元にあることを前提としてきたわけですから、事前に、かなり大々的かつ長期にわたる広報活動がなければ、法の成立に基づく一遍の公報通告には注目しないのは無理からぬところでしょう。 また、音響製品や電子楽器は、それが高価なものであればあるほど、流通は一元的ではなく、複元的なものとなります。いわゆる中古製品、ビンテージ製品の流通に占める大きさを経産省は認識していなかったのではないかと疑われても仕方ありません。かくて経産省は、「ビンテージもの」の認定に乗り出しました。3月30日に提示された、「ビンテージ」モデルが挙げられた、国内ブランドは以下のとおりです。
音響製品に限ってみても、私の知る、歴史を持つ国内ブランドはこんなものではありません。CECが含まれていないのはその知名度の低さと企業規模の小ささからして止むを得ないとしても、上場メーカーの世に広く知られたブランドが抜けているのは、何を基準に「一覧」表を作成したのかが疑われます。今後申請し、承認されればいかようにも「ビンテージもの」は拡大されるようですが、そうであれば 経産省が予め「特別承認に関わる電気楽器等一覧」などを準備するのは、それも法の施行日の二日前に提示するのはかなり疑問符がついてしまいます。 さらに、このPSE法は、法の対象とする、「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」を事細かにリストアップしていますが、このリストにない電気製品はこの法律の適用外に置かれていることも、この法律の趣旨である、「電気用品による危険及び障害の発生を防止する」ことの合理性に疑念を生じさせるところです。電気製品群を分野別に詳細にリストアップするよりも、例えば消費電力などの電気的もしくは電磁的な特性によって対象を規定する方が、より網羅的であり、この法律の趣旨にあっているように思われます。 いずれにせよPSE法は、様々な付帯条項をもって、昨日をもって猶予期間を経過しました。当社製品で、PSE法との関わりについてのご質問は、次のメールアドレスにお寄せ下さい。 PSE法の問題点を挙げてみましたが、法の有無に関わらず、CECとして電気、電磁的な安全性を高める努力を日々行っていくことはいうまでもありません。私共で気付いていないことがございましたら、これまで同様、忌憚なくご意見をお寄せ下さい。 春爛漫の関東地方です。まだ冬将軍の居座っている地方にお住まいの方も、後一月の我慢と言ったところでしょうか。これから暖かくなっていく期間に、CECとしてちょっと面白い製品をご紹介させていただく予定です。どうかご期待下さい。 |