第46回 2004/8/01 |
今年、はたして梅雨は来たのでしょうか。まったく暑い夏です。関東地方では摂氏30度以上の真夏日が2週間以上も続く記録的な酷暑となりました。猛暑、心からお見舞い申し上げます。他方で、新潟県、福井県では集中豪雨により夥しい被害が報道されております。被害にあわれた方には、謹んでお見舞い申し上げますと同時に、一日も早い日常生活への復帰をお祈り申し上げます。 さて、CEC株式会社は、本年で創立50周年を迎えます。オーディオ用フォノモーターの生産販売を1954年に東京都品川区で開始してから半世紀が経過したことになります。私自身は、1971年(昭和46年)入社ですから、33年間、この歴史の66%しか実体験しておりませんが、入社当時には創立の時から勤務されてこられた方々も多く、新米社員に貴重な体験、経験を具体的に指導していただきました。残念ながら既に逝去された方も少なくなく、あらためて歴史の流れの速さを実感いたします。この創立50周年に、何らかのイベントをと社内で企画を検討してまいりました。 私共オーディオ再生機器メーカーにとりましては、何よりも皆様が音楽を楽しむ文化的、社会的習慣や趣味がかけがいでございます。音楽を楽しむ方が増え続けていただけることが私共の糧でもあります。再生用オーディオ機器や、テレビ、ラジオ、パソコン機器を通した音楽情報の根源である、実際の音楽演奏の場を提供することが、その一助になるのではないかと結論付けました。 まったく幸いなことに、同じ埼玉県に本社を置く、(株)トライオード社長・山崎様にもご賛同を得ることができました。 (同社は、真空管を基本とするアンプ類を生産、販売されています。詳しくは、http://www.triode.co.jp/をご参照下さい。) このホームページのTOP記事とさせていただきましたが、以上のような趣旨で、9月10日(金)午後6時30分より、埼玉県さいたま市、さいたま市文化センター(JR京浜東北線南浦和駅西口より徒歩10分)で、ソプラノ歌手・塩谷靖子さんのリサイタルを開催いたします。トライオード社協賛のもと、入場は無料とさせていただきます。 塩谷靖子さんにつきましては、この「独り言」で2度ほど取り上げたことがありますが、日本のオペラ歌手にありがちな繊細に澄んだ歌唱法というよりも、むしろアルト的とも思えるほど太く力強い歌唱表現をされる、日本でも稀有のソプラノ歌手であると高く評価いたしております。このような催しは当社にとりましては初めての試みですので、どのようにアプローチしてよいか判らず、ご本人に直接趣旨をご説明しリサイタルをお願いしたのですが、快くお引き受けいただけました。 ピアノ伴奏をなさる塩谷多衣さんは、ご令嬢です。リサイタル用のポスターに記載しております経歴をよくお読みになればお分かりのとおり、塩谷さんはクラシック歌手の中にあってはまず一人もいないと思われますが、音楽学校を卒業されているわけではありません。4年制大学の、所謂理科系を卒業され、一旦就職された後、40歳代で初めて本格的に声楽を学び始め、それも全盲というハンディキャップを背負いながら、その後、幾度かの歌唱賞を獲得するまでに至るコンサートを経験されてきております。 憶測すらつかないほどの音楽的研鑽の日々の苦労が、あの力強い表現力となって現れているのかと思うしだいです。 塩谷靖子さんのホームページをご参照下さい。 この50周年記念リサイタルには、クラシック音楽がお好きな方はもちろん、どちらかというとクラシックを敬遠気味であった方にも是非おいで頂きたいのです。演奏者と直に正対して音楽に対する時には、その音楽表現が高度であればあるほど、音楽分野を超えて生きていくうえでの「感動」が必要なことを確信しているからです。このリサイタルが開催される9月にはさすがのこの暑さも収まることでしょう。あと一月、皆さん涼しさを誘う音楽と共に、乗り切っていきましょう |